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均時差が起こるわけ…sujets


 少し占いの専門的なお話になりますが、四柱推命では、1日の時間を社会生活で使われている「平均太陽時」から、「視太陽時」に変換して占っていきます。
 その為には、サマータイムの有無、地方時差、均時差の値を出して、それをきちんと計算しなければなりません。この時は、必ず、地方時差と均時差はペアで用います。
 占いによっては、こういった時差を一切調整しないで行う事もあります。それはそれで一つの正しいやり方です。梅花心易という占いはその典型と言っても良いでしょう。
 ただし、四柱推命の場合には、地方時差を計算しているのに均時差は計算しないとか、均時差を計算していながらも地方時差は計算しないという事は、占術理論上ありえません。

 また、市販されている本などで、「外国で生まれた場合、出生時刻を日本時刻に合わせる」という明らかに間違った説が流布しています。
 四柱推命が、日本で発明され成立した占いというのであれば、こういう理論も成立するかもしれませんが、実際にはそうではありません。
(仮にもしそうであれば、中国の文献の窮通宝鑑や子平真詮といった原書に載っている命式は、全てことごとく日本時間を割り出して命式を作り直さなければいけないという、おかしな話になってきます)

※拙著「四柱推命完全マニュアル」で、外国生まれの方の年干支と月干支だけを日本時間に直すよう記載があるのは、便宜上明石時間で表記している巻末の万年暦の年干支と月干支の節入時刻に対応させているだけです。当然の事ながら、その日本時刻を用いて、外国生まれの方の日柱干支や時柱干支を算出するような事は、あってはならない事です。

 ところで、この均時差というものがなぜ起こるのか、という事について、たまに講座の受講生の方からご質問を受ける事があります。もちろん、占いをする上ではこんな理論は必要ありませんが、それでもつい気になってしまう真面目な方の為に、このページを設ける事にしました。

均時差が起こるわけ…


 地上から見える太陽が一周して元の場所に戻ってきた時を一日の定義とした時に、この時間を測定すると、およそ24時間前後となります。意外に思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、実際には24時間よりも長い一日もあれば、短い一日もあります。
 言ってしまえば、これが均時差の起こる理由です。

 では、なぜ、地球は同じ速度で自転しているのに、日によって、太陽の速度が速くなったり遅くなったりするのでしょうか?

 その前に、よく一日の定義は「地球が自転をして一回転した時」と認識されやすいのですが、正確には違います。
 地球が自転をして一回転するのは、約23時間56分です。そして、これは常に一定です。

 では、この残りの4分って何なのかと申しますと、下の図を見て下さい。

    
 ①の場所にある地球が、自転をして一回転した時に、②の位置まで来たと仮定します。
 ところが、地球は一回転したにもかかわらず、地上から見た太陽は一周していません。なぜなら地球の公転で、わずかに位置が動いているので、その方向に太陽が無いのです(②の矢印の先には太陽が無い)
 従って、地球はさらに③の位置まで余分に回転する事により、地上の太陽がやっと一周した事になるのです。この余分に回転した
αが、「約4分」という訳です。
(図は分かりやすくデフォルメして描いてあります。実際には②の位置と③の位置はほとんど変わりありません。)


 
αが常に一定であれば、一日の長さも一定です。
 でも、そういう訳ではありません。とはいえ、いくら大きく差が出ると言っても1分を越える事はありませんが…
 
αが一定でない訳は、次の2つの理由によるものです。

<理由1>地球が太陽の周りを楕円形で公転している事で起こる現象


 まず一つ目の理由は、地球は太陽の周りを楕円形で公転しているから起こる現象です。
 その為、太陽と地球の距離は近くなったり遠くなったりしています。
 意外かもしれませんけど、一番太陽が近づくのは元旦を過ぎたあたりの1月初旬です。これを近日点と言います。また、一番太陽が遠のくのは7月初旬で、これを遠日点と言います。
(ごくまれに誤解している人がいますが、季節と太陽の距離とは関係ありません。)

  
 そして、太陽と惑星との距離が近ければ近いほど、公転速度は速くなります。
(ケプラーの第2法則)
  
 当然、近日点に近くなれば、地球の公転速度が速まった分だけ、一定のスピードの自転をしている地球はより多くの回転をしなければ、一日が経過しない事になります。



<理由2>黄道と赤道が23.4度の傾斜角がある事による現象


 これは、とても説明するのが難しいのですが、春分点や秋分点の時の太陽と地球の地軸との角度と、夏至点や冬至点の太陽と地球の地軸との角度というのは、完全に90度違っています。
 つまり、地球の地軸の傾きの方向によって、地球の自転(赤経移動)と公転(黄経移動)による移動量の比率が異なる事になります。

 試しに「春分点・秋分点」と「夏至点・冬至点」で、それぞれ、計算をする事にしましょう。


  
<春分点・秋分点の黄経移動量の計算法>
  


  
<夏至点・冬至点の黄経移動量の計算法>

  


 つまり、これにより赤経移動量と黄経移動量の比が、0.9178~1.0896まで変化する為に起こる現象です。

平均太陽時と視太陽時の差


 こんな風に1日の長さは、1分を超える事はないとはいえ、確実に長短があります。
 ところが文明社会において、1日の長さが違うというのは致命傷です。まずもって時計と言うものが全く役に立たなくなりますから…
 そこで、すべからく「平均太陽時」というもので、短い1日も長い1日も、一年の1日の時間の平均を取って、24時間に調整している訳です。
 だから当然、お昼の12:00に、太陽がちゃんと南中している事はほとんどありません。
 もちろん、平均太陽時というのは我々の優れた文化の一つです。ゆえにこれをそのまま占いに活用するのも、場合によってはありでしょう。
 ただし、きちんとした視太陽時に変換する場合には、この均時差調整の事を必ず忘れてはいけません。
 おおよそ、毎年の均時差は共通していますので、下記の表(拙著「四柱推命完全マニュアル」にも掲載されています)を用いて、地方時差と共に微調整して下さい。

 
     

 なお、均時差の計算の理論は、こよみのページ ー 「冬至は一年で一番日の出の遅い日か?・・・均時差の話」のサイトが非常にわかりやすく述べられています。



  四柱推命とは…

  四柱推命「鑑定の実例」



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